アイランド | ちょこっとだけシネマブログ

アイランド

究極の医療技術として自分のDNAからクローンを作り、臓器や皮膚その他の器官をいつでも代替できるように培養しているという、近未来のことじゃなく今現在でもどこかでやっていそうな物語。クローンの一人が自分たちがやがては解体されるのだという事実に気付き、反乱を起こすのですが、「ブレードランナー」 のラストでレプリカントとしての寿命が尽きて死んでいく時のルトガー・ハウアーの悲しそうな表情を思い出してしまいました。レプリカントは人造人間のことですが、クローンとほぼ同義と考えて良さそうです。2人のリンカーン(ユアン・マクレガー)が互いに自分が本物だと言うシーンは、ジャン・クロード・バンダムの「レプリカント」の中にも出てきました。ビルから落ちるシーンや、実車を使った街中でのチェイス・シーンがもの凄い迫力です。リンカーンがトレーラーから列車の車輪を後ろに落とすシーンは思わずよけてしまいました・・・w。「アミスタッド」で黒人奴隷のシンケを熱演したジャイモン・フンスーがイカしてます。「父は象牙海岸で反乱兵をしていた」と言って奴隷だった時に付けられた烙印を見せるシーンはやはりアミスタッドつながりでしょうか。すごく若く見えますが、1964年生まれです。

地球規模の汚染から運良く救出され、外界から隔離され完全管理の行き届いた居住区で何不自由なく暮らす人々。安全で快適だが日々退屈な彼らの最大の夢は、地上最後の楽園"アイランド"への移住権を手に入れること。毎日行われる抽選会が最大の関心事である。しかし、彼らの過去の記憶も夢もすべてプログラムによって刷り込まれたもので、彼らは皆、彼らの臓器を必要とする"本人"のDNAから数年かけて培養されたクローンたちであった・・・。

ただ培養しただけの臓器では異常をきたしやすいので、"人"としての生活をさせながら培養している、という説明がいかにも真実味を帯びていて背筋が寒くなります。自分自身のDNAから作った臓器なら移植しても拒絶反応は起こらないだろうから、これからの医療で必要なことだとは思うのですが、どうなるのでしょうね。ES細胞一つから人間が作れるようになるのかどうか。どうせなら丸ごと作っておいた方がいつどれが必要になってもすぐ対応できるから便利だと思うのですが、その培養臓器が人としての自我を持ってしまったら厄介ですよね。網膜や静脈パターンも指紋も同じだし、実際数年しか生きていないのに遺伝子の中には数十年分の本人の記憶がしっかり入ってるし、こうなるとどっちも本人なんだから、どっちでもいいような気がします。本人同士で話し合って、健康な方が残ったらいいのでは・・・。極論かなぁ・・・。ジョーダン(スカーレット・ヨハンソン)がアルバート(ジャイモン・フンスー)に捕まったのも計画の内で、ジョーダンが拳銃を持ち込めたのはアルバートとの談合があったからだろうけど、もしアルバートが協力してくれなかったらリンカーンの作戦も成り立たなかったと思いますが、その時はどうするつもりだったのかな? それにしても、完全管理されているはずなのに、メリック社のセキュリティ・システムは無きに等しいのがどう考えても不自然です。最後でクローンみんなが一斉に逃げ出したわけだけど、"半製品"のクローンたちはどうなったのかなぁ?もうすでに意識はあったのだから、ほったらかしは可哀想だと思うが・・・。 それに臓器を心待ちにしていた"本人"たちもほったらかしって、それはひどい話だと思う。せっかく大金出して病院のベッドの上で待っていたのに。リンカーンはいいよね。大金持ちの"本人"と入れ替わったのだから。入れ替われなかったクローンたちはその後どうなったんだろう? 住民票も国籍もないし、住む所も仕事もなくてどうやって生活するんだろう?

余談ですが、アメリカからアフリカに帰された黒人奴隷たちは、原住民を追い出してリベリアという国を作り、シンケはその後奴隷商人になったそうです。これは映画では語られていませんけど。

「THE ISLAND」(2005年)米国
監督:マイケル・ベイ 「パール・ハーバー」、「アルマゲドン」
出演:ユアン・マクレガー(リンカーン・6・エコー)、スカーレット・ヨハンソン(ジョーダン・2・デルタ)、ジャイモン・フンスー(アルバート・ロレント)、ショーン・ビーン、マイケル・クラーク・ダンカン、スティーブ・ブシェミ

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レクターズカット ブレードランナー 最終版

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