バットマン・ビギンズ | ちょこっとだけシネマブログ

バットマン・ビギンズ

最大の関心事は渡辺謙だったのですが、出番少なくてがっかり・・・。期待が大きかっただけにちょっとショック。一方モーガン・フリーマンは出番は少ないながらも存在感たっぷりで、最後においしいところを持っていっちゃいます。ティム・バートン作品と違ってギャグの要素がなく、全体にどんよりとした空気に覆われている感じで、ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)のトラウマによる恐怖や苦悩、怒りを表しているようです。ロビン誕生の時と同様、バットマン誕生の背景にもブルース自身の大きな悲劇があり、それがブルースの悪夢の真相でもあったことが明かされています。バットマンのパワーの源は、悪に対する凄まじい怒りなのですが、最大の怒りは、最愛の両親の死の原因を作ってしまった自分自身の臆病な心に向けられていたようで、両親への贖罪の気持ちの方が強いみたいです。「恐怖を克服するには、己自身が恐怖になれ」と、"影の同盟"の頭領ラーズ・アル・グール(渡辺謙)に諭され、ブルースは己の身体と精神を極限まで鍛え上げていくのですが、"正義"に対する考え方の相違でアル・グールと対決する結果になったのは残念です。何もあそこまでしなくても・・・、まるで恩を仇で返しているようです。軍団とは友好的な関係を保ったまま別れることはできなかったのでしょうか。世界を股にかける同盟と違って、バットマンはゴッサム・シティだけのヒーローなんだから。アル・グールやデュカード(リーアム・ニーソン)にしても、ブルースに対してもっと大人げな対応をすることはできなかったのかと思います。まぁ、こう言ってしまうと映画のストーリーが成り立たなくなるのですけど。

殺陣の経験も豊富なリーアム・ニーソン(デュカード)とブルースの剣を使ったトレーニングは、ライト・セイバーを使うクワイ=ガンを彷彿させます。後に警視総監になるゴードンは、この頃はまだ巡査部長だったのですね。どこから見てもゲイリー・オールドマンに見えません。もしゲイリー・オールドマン然としていたら、いつ裏切るのかとハラハラしていたと思います。ブルースが、バット・スーツにスプレーかけたり、手裏剣を研磨したりとなかなかやることが細かいです。ブルースを両親の復讐から正義へと導く検事のレイチェル(ケイティ・ホームズ)は、この後どうなってしまうのかちょっと心配です。ブルースのバットマンとしての活動を陰で支えるアルフレッドとルーシャスが頼もしい存在です。この2人にとってはブルースはいつまで経っても"坊ちゃん"で、その坊ちゃんのちょっと危険なお遊びを見守っている優しい保護者のようです。

「バットマン・ビギンズ」2005年
監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、リーアム・ニーソン、渡辺謙、モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、ケイティ・ホームズ、ゲイリー・オールドマン、ルトガー・ハウアー

公式サイト

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