マイノリティ・リポート | ちょこっとだけシネマブログ

マイノリティ・リポート

「未来殺人罪で逮捕する!」 いきなりこんなこと言われて監獄に放り込まれても訳わかりませんよねぇ。今から50年後には、未来に起こる犯罪を予知するシステムが確立されていて、まだやってもいない罪のために逮捕されるらしい。街のいたるところには網膜スキャン・カメラが設置され、目をつむって歩かない限り、誰がいつどこにいたかが直ぐに当局にわかってしまい、犯罪数はほぼ皆無になる。おまけにこのスキャナーは販売システムとも直結していて、行く先々でホログラム映像が、自分が過去に買ったものの具合を聞き、嗜好に合った物を勝手に薦めてくる。大衆の面前で。大きなお世話だって! もうこうなったら個人のプライバシーなんて無きに等しいですね。映画製作に当たって、社会のあらゆる分野の専門家達を集めたシンク・タンクによって、近未来の社会の様相や技術面の詳細なリサーチを行い、プライバシーが次第に失われていくだろうという予測や、石油ではなく磁力を使った交通システム等が考案されたのですが、その専門家達をもうならせたのが、社会面や科学技術面でも先の先まで考え抜かれたフィリップ・K・ディックの社会派SF小説です。1950年代から60年代にかけて何百もの短編を書き上げながら、商業的な成功を収めたことは一度もなく、ディックの小説は時代を先取りし過ぎていたのかもしれません。ディックは、彼の作品を最初に映画化した「ブレードランナー」(1982年)の完成を目前に亡くなり、まさに不世出の偉大なSF作家と言えます。

西暦2054年のワシントンD.C.。テクノロジーの進歩によって犯罪予防局が設立されてから6年。予防局の主任捜査官ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は、プリコグ(予知能力者)によって特定される未来犯罪容疑者を日々容赦なく取り締まっていた。ところがある日、アンダートン自身が容疑者として特定されたのを知り、こっそりと逃げ出す。「誰だって逃げる!」 ・・・って、それは通らんやろ! と誰だって思うのですが、アンダートンが自力で調査を進めるうち、犯罪予防局設立の陰に隠された巨大な陰謀の魔の手に罠にはめられたことに気付く・・・。

プリコグは3人いて、予知が一致しなかった場合は多数派の予知を取り上げ、少数派(マイノリティ)の方は却下されるというシステムになっています。でもこの時点ですでに"完璧なシステム"ではないと思いますが・・・。それにデジタル表示されるのじゃなくて、木を削って球にして出してくるところがやけにアナログです。眼球交換が藪医者に頼めば割と簡単にできるのなら、やはり"ざる"じゃないのか・・・。コリン・ファレルがクルーズのライバルの切れ者の司法官役で出ています。真犯人と思しき人物に会いに行き、何故かあっさりと殺されてしまいます。わかってて会いに行ったんじゃないのか・・・? こんな簡単に殺されるはずがない、最後でまた出てくるに違いない、いつ出てくるんだろう? と待ってるうちに映画終わっちゃいました。唖然・・・。アンダートン捜索のために放たれた蜘蛛のような小さな探査ロボットの追跡をかわすシーンがスリル満点で、「宇宙戦争」の地下室のシーンに似ています。超高性能センサーを装備していながら、ちょっと間抜けです。ツッコミどころはたくさんあるのですが、近未来を描いた映像はひょっとしたらいくつかは実現するかもしれませんね。ITメディアにこんなニュース がありました。未来予知が可能になったら、相場なんかはどうなるのかなぁ。

「マイノリティ・リポート」2002年米国
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・クルーズ(ジョン・アンダートン)、コリン・ファレル(ダニー・ウィットワー)、サマンサ・モートン(アガサ)、マックス・フォン・シドー(ラマー・バージェス)

マイノリティ・リポート スペシャル・エディション


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