ペイチェック 消された記憶 | ちょこっとだけシネマブログ

ペイチェック 消された記憶

SF小説の巨匠、フィリップ・K・ディックの原作をジョン・ウーが映画化。「アルマゲドン」 (1998年)、「パール・ハーバー」 (2001年)のベン・アフレックと、「キル・ビル」(2003年)のシビれるようなアクションが記憶に新 しいユマ・サーマンが共演。ド派手なアクションと、パズル形式の謎を解いていくスリリングな展開が、とてもスタイリッシュでユニークです。

マイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)はフリーのシステム・エンジニア。ハイテク企業の極秘プロジェクトを短期で請け負い、プロジェクトが完成すると、高額な 報酬(ペイチェック)と引き換えに、機密保持のために開発に関わった期間の記憶を抹消される。ある日、ベンチャーから瞬く間に巨大企業に成長したオールコ ム社から依頼が入る。3年というそれまで経験したことの無い長期間の記憶の代償に、100億円近い報酬を支払うというものだった。・・・3年が過ぎ、記憶を消されてオールコム社を出てきたマイケルは、報酬を受け取るために法律事務所に出向き、信じられない事実に驚愕する。報酬はただの1ドルも支払われ ないという。しかも"自分で報酬を放棄した"らしい。19個のガラクタの入った封筒と引き換えに?・・・何故?・・・騙されたのか?・・・本当に自分で放棄し たのか? 記憶は消されてしまっているので何も憶えていない。悩んで落ち込んでいるところへFBI にいきなり踏み込まれ、監禁されて憶えていないことを白 状しろと強要される。封筒の中のガラクタを利用して、何とか逃げ出すが、今度はオールコム社の差し向けた殺し屋に狙われる始末。またしてもガラクタが役 に立って何とか逃げ果せる。自分で自分宛に送ったガラクタなら、全てに何かの意味があるはず、と考え検証するうちに、ある場所で誰かと待ち合わせていたことに気付く。罠かもしれないが、とにかく行ってみるしかない・・・。

マイケルが記憶を消された3年間に何があったのかは観客にもわからず、マイケルと一緒になって、ジグソーパズルのピースを一つ一つ嵌め込んでいくようなスタ イルがもたらすスリルと興奮が新鮮です。チェイス・シーンや爆発シーン、鳩が出てきたところもウー監督らしさが出ています。原作のプロットも、実によく考証さ れ、洗練されたものです。「神は、サイコロを振らないと信じる」と語ったアインシュタインによると、全ての事象は物理法則によって支配され、全ての物理法則 が解明されれば未来予知は可能であるらしい。この映画の中でも、時間軸はカーブしていて、未来のある時間は現在と近接することになり、ある装置を使え ばその近接点の未来を見ることができると述べられています。そう言われてみると、できそうな気が・・・できるのかなぁ?
---以下ネタバレ反転モード---
未来に戦争が起こることを予知した人間が、その戦争を避けるために戦争を起こして、そして世界が滅亡してしまう・・・ 。その未来を予知したマイケルは、莫大な報酬を放棄して、命懸けで装置の破壊を決行する。しかし最後で大金を手にしたマイケルは、ちょっとずるいかも。 監視状態でよく宝くじやらおみくじやら、バスのチケットなど買いに行く暇があったものだ・・・。

「ペイチェック 消された記憶」(2003年米国)
監督:ジョン・ウー
原作:フィリップ・K・ディック 「ブレード・ランナー」、「トータル・リコール」、「マイノリティ・リポート」
出演:ベン・アフレック(マイケル・ジェニングス)、ユマ・サーマン(レイチェル・ポーター)、アーロン・エッカート(ジミー・レスリック)、ポール・ジアマッティ(ショーティ)、 コルム・フィオール(ウルフ)、ジョー・モートン(ドッジ)、マイケル・C・ホール(クライン)

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・ビル Vol.1 & 2 ツインパック


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