宇宙戦争 | ちょこっとだけシネマブログ

宇宙戦争

ハイパー・リアリスティックの映像とボディ・ソニックの音響がもの凄い迫力で、映画館までわざわざ出かけた甲斐がありました。この映画のためだけに作った街を惜しげもなくぶっ壊し、地面には亀裂が入り、何台もの高級車をぶっ壊し、海に放り込み、フェリー・ボートを転覆させ、本物の海兵隊の戦車やヘリによる爆撃シーンなど迫力満点で、人類滅亡を実感させるに十分なものでした。"早撮り"で有名なスピルバーグ監督が12週間もかけ、138億もつぎ込んだことはあります。

そして今日、映画を観終わって出てきたところでいきなり停電!何人かが「キャ~ッ!」とうれしそうな悲鳴をあげる中で、係員の「ただいま原因を究明しておりますので、もうしばらくそのままでお待ちください。」とアナウンスする声が響きます。「ワーナーも凝った演出するなぁ~」と思いながら止まったままのエスカレーターを降りて建物の外を見ると、もの凄い雷と土砂降り!「何もここまでしなくても・・・。」 しかしいくらワーナーマイカルでも雷さまを買収するだけの資本力は無いはず。ひょっとしたらスピルバーグの、観客をとことん楽しませたいという神通力だったのかも・・・。

トム・クルーズがごくごく平凡な労働者レイを演じています。そしてこの日は、別れた妻マリー(ミランダ・オットー)に引き取られている息子ロビー(ジャスティン・チャットウィン)と娘レイチェル(ダコタ・ファニング)に会える楽しみな日。レイはうれしくて仕方がないのに、子供たちはレイにあまり好意も敬意も抱いてない様子。そんなところに"審判の日"がやってきます。
---ネタバレ反転モード---
100万年前に地球に飛来し、人類の放牧を始めた"彼ら"が人類を"肥料"にするために"収穫"しにやって来たのです・・・。"彼ら"が地中深くに埋め込んでいた"トライポッド"はシールド・バリアを装備していて軍隊の攻撃は歯が立たず、パニックに陥った群集は、逃げ惑い、エゴをむき出しにしていきます。ダサいパパでしかなかったレイは命懸けで子供たちを守るために闘い、1台のトライポッドを破壊しますが、もはや万事休す・・・。と思われた矢先、"彼ら"は何故か自滅してしまいます。どうやら地球の人間が口に合わなくて、腹をこわしてしまったらしい・・・。文明の象徴である最新兵器が役に立たず、皮肉にも汚染の進んでしまった地球の環境が、植物から進化したらしい"彼ら"を枯らしてしまったのです。何となく、今の地球環境や、それを見過ごしにしてきた人類に対するメタファー(暗喩)のようでもあります。

クルーズが子供たちのためになりふり構わず頑張るパパを熱演しています。パニくって大声で喚きながら地下に穴を掘り始めるティム・ロビンスに、「ここはショーシャンクじゃない!」と怒って殺してしまいます・・・(嘘)。レイチェルが、破壊された街を見て「テロ攻撃なの?」と思わず叫ぶところは、今のアメリカの国情を表しているようです。あの高さ60メートルもあるトライポッドを大阪で何体かやっつけたというところが面白いです。さすが大阪人!テレビ朝日のロゴや、日本製の車が何台も出てきました。日産が最新型のセダンだったのに、レガシーが初期型だったのは悔しい・・・。 H・G・ウェルズが今から100年以上も前に、豊かな想像力でこの小説を書き上げたことは、驚くべき才能です。

宇
宙戦争


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