K-19 | ちょこっとだけシネマブログ

K-19

ハン・ソロとクワイ=ガン・ジンの初共演作・・・じゃなくて、ハリソン・フォードとリーアム・ニーソン共演の潜水艦アクション映画で、1961年に実際に起きたソビエ ト原潜K-19の事故を基に作られました。ロシア政府や軍部の協力を得、ロシア政府の建物内部での撮影や海軍元艦長のアドバイスなど、ペレストロイカ 以前ではあり得なかったことです。撮影に使われた潜水艦は、旧ソ連時代の古い潜水艦を交渉の末に借り受けて、細部まで詳細にコピーして本物そっくりに 再現されたそうです。

時は米ソ冷戦の真っ只中で、1960年11月のポラリスミサイル搭載原潜ジョージワシントンの就航の後を追うようにしてソ連が送り出した核弾頭ミサイル搭 載原潜K-19は、安全性にはまだ多くの不安を抱えた艦でした。この映画の事故後も何度も事故に見舞われてThe Widowmakerと呼ばれるよう になり、しまいにはHiroshimaと呼ばれたそうです。「ローレライ」 でもそうでしたが、新しく赴任してきた艦長が限界深度を超えて潜水させるのは潜水艦 映画のお約束なのかも。でもその無理がたたって事故につながったりしたら、しゃれにならないと思いますけど。米軍基地の直近の海で案の定冷却パイプが破 砕して原子炉の温度が上昇し続けるという事態になり、ここで核弾頭が爆発でもしたら世界戦争に発展するかもしれない危機的状況に。直ぐに浮上して米 軍に救助を要請すべきという副艦長ポレーニン(リーアム・ニーソン)以下全乗組員と、軍の機密の防衛にこだわり艦を沈めてでも米軍には引き渡さないとする艦長が対立します。艦長は強引に副艦長を監禁し、冷却水漏れは乗組員の決死の作業で食い止められるのですが、隙を見た将校が艦長に手錠をかけ 、副艦長の指揮権を復活させます。これで一件落着・・・と思っていたら、信じられないことが起きます。副艦長は将校から銃を受け取ると、その将校を捕縛 して艦長に指揮権を戻すのです。何故・・・?軍の規律だから? この部分が何度見ても私には理解できません。何十人の乗組員の命よりも軍の規律の 方が重いのか? 艦長におもねった副艦長をこのときは軽蔑してしまいました。可哀想に、乗組員達を助けようとしたこの将校2人は地位も名誉も取り上げ られ、その後もつまはじきにされたままです。これがもし米軍の艦内で起きた事故だったらどうだろう?いくら冷戦の最中でも絶対に人命優先だと思いますが・・・。この後再び冷却水漏れが発生し、艦長は再び究極の選択を迫られます・・・。

ハリソン・フォードはなかなかの苦労人で、30過ぎまでは出演作にも恵まれずに大工を副業にして生計を立てていたそうです。転機となったのは31歳の時に出演した、フランシス・コッポラ制作、ジョージ・ルーカス監督の 「アメリカン・グラフィティ」 です。この後 「カンバセーション・・・盗聴・・・」 に出演し、「STARWARS」でブレイクしたのは35歳の時でした。200 5年に撮影予定だった「インディ・ジョーンズ4」は延期が正式決定し(もう60超えているのに元気だなぁ)、次回作は「ロング・エレメント」になる予定。家族を 人質にとられた警備員が、犯人の要求に応える為に自ら設置したハイテク防犯システムを破るというストーリーです。

「K-19 THE WIDOWMAKER」 2002年
監督:キャスリン・ビグロー (「ハートブルー」「ブルー・スチール」「ストレンジ・デイズ」)
出演:ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン、ピーター・サースガード、クリスチャン・カマルゴ

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